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リッカルド・シャイーのシューマン交響曲全集


リッカルド・シャイーライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンビによるシューマン交響曲全集を聴いている。


このコンビでのシューマンの録音は、2番&4番のカップリングのCDが最初に発売されて(2007年)、その後、1番&3番が発売された(2008年)。


そしての1番&3番の発売と同時に、1〜4番までの全集版が発売された。私は既に「2番&4番」のCDを持っていたのだが、3番&4番のCDを買うよりも2枚組みの全集版の方がなぜか安かったので、曲が重なるが全集版を購入した。


シューマン:交響曲全集(マーラー編)

シューマン:交響曲全集(マーラー編)


ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は、1743年創立の世界最古のコンサート・オーケストラで、リッカルド・シャイーが2005年より常任指揮者(カペルマイスター)を務めている。


「カペルマイスター」と言う称号が歴史を物語るようであり、改めて考えてみると、日本で言えば徳川吉宗の時代から演奏会を開いていたことになる。歴史の重みを感じる。


尚、このコンビで2008年2月に来日予定だったが、シャイーの急病のため残念ながら公演中止となった。万全の状態に戻して、また来日して欲しい。


◇  ◇  ◇


シューマン交響曲は、今日の番号で言うと、1→4→2→3の順で作曲された。


標題を持つのは1番「春」と、3番「ライン」で、コンサートでは3、1、4、2の順で演奏機会が多い。2番は少ないのではないかと思う。


シューマン交響曲の特徴は、絵の具を重ね塗りしたような分厚い和音。詩想たっぷりのメロディ。ほとばしる感情、などなどロマン派の作曲家・シューマンならではの特徴が満載だ。


1番「春」は陽光が溢れ、鳥のさえずりが聞こえてきそうな曲だ。雪に埋もれた新芽が顔を出す。春がすぐそこまで来ている時期(ちょうど今頃だ)、この曲を聴きたくなる。


2番。とても渋い曲だ。随所に聴きどころがある。寂しげな第3楽章などとても良い。


3番「ライン」。「ライン川」の流れを描いたと言われる、スケールが大きい名曲。


4番。切れ目なく全曲が演奏される。幻想的な名曲だ。シューマンの名曲・ピアノ協奏曲と共通する雰囲気を持っている。もっともシューマンらしい交響曲だと思う。


私が好きなのは、好きな順に4番→3番→1番→2番だが、いずれも素晴らしい傑作だと思う。


◇  ◇  ◇


ライプツィヒ・ゲヴァントハウスの音色は、軽やかで、華やかだ。リズムの刻みが細かくて小気味よい。中高音がしっかりとしている。


伝統のあるオーケストラなので、骨董品のような底光りを期待すると拍子抜けするが、案外、こういうものが歴史や格式と呼べるのかもしれない。そこにシャイーが付け加えたものは「若さ」や「勢い」、「センスのよさ」だ。


全編にわたってマーラー編曲の楽譜を使用した点も、野暮ったさを感じない理由のひとつで、まるで、おしゃれな重ね着のようだ。


1〜4番まで甲乙付けがたい名演で、どの演奏も素晴らしい。どれも良い。これはちょっと順位を付けられない。


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