USHINABE SQUARE

クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

ピアノ組曲版『展覧会の絵』の名盤


展覧会の絵』は、友人の画家の遺作展を訪れたムソルグスキーが、10枚の絵からインスピレーションを受けて、10曲の音楽を書いたというのが作曲の経緯で、各曲には次のようなタイトルが付けられている。


「小人(グノーム)」、「古城」、「チュイルリーの庭」、「ビドロ」、「卵の殻をつけた雛鳥の踊り」、「サムエル・ゴールデンベルクとシュミイレ」、「リモージュの市場」、「カタコンブ−ローマ時代の墓−死者たちとともに死者の言葉で」、「鶏の足の上に建つ小屋−バーバ・ヤーガ」、「キエフの大門」の全10曲。


曲間は、様々に変奏する「プロムナード」という短い曲で結ばれている。


ラヴェルによって編曲されたオーケストラ版がポピュラーだが、オリジナルのピアノ組曲版もピアニストのリサイタルでは結構プログラムに挙がっている。優れたピアニストによる『展覧会の絵』はとても楽しみなプログラムだと思う。


私は洗練されたオーケストラ版も嫌いではないが、どちらかと言えば、ロシアの香りを強く感じさせる、ピアノ版のほうが好きだ。


■エフゲニー・キーシン

ムソルグスキー:展覧会の絵

ムソルグスキー:展覧会の絵

現代的で、洗練された演奏。シンフォニックな名演。瞬間的な閃き。安定したテクニック。冴えるタッチ。「リサイタルに行ったら演奏が素晴らしくて満足して家に帰る」気分が味わえる名演。


イーヴォ・ポゴレリチ

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

立体的な造形。テンポや音の強弱が非常に個性的。しかし暴力的な力強さと陶酔的な甘さが同居する怪演。


上原彩子

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番&ムソルグスキー:展覧会の絵

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番&ムソルグスキー:展覧会の絵

2002年のチャイコフスキー国際コンクールの覇者。世界的なピアニストであることを証明する一枚。多彩かつ繊細な表現力が溢れている。決して派手ではないが丁寧に磨きあげたような演奏なので、じっくり聴くにはとても良い。カップリングはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番なので、そちらも楽しめる(というよりそっちがメイン)。


アナトール・ウゴルスキ

ムソルグスキー:展覧会の絵(管弦楽版/ピアノ版)

ムソルグスキー:展覧会の絵(管弦楽版/ピアノ版)

スタンダードな名盤。中でも、流れるような「ビドロ」、「チュイルリー」が良い。併録はアバドベルリン・フィルによるオーケストラ版なので、2度楽しめる。


展覧会の絵』を聴くたびに私がいろいろ想像するのは、「10枚の絵は果たしてどんな絵だったのか」ということだ。


(↓ブログランキングに投票のクリックよろしくお願いします。)
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 クラシックブログへにほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へにほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ