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ヤンソンス&コンセルトヘボウのベト2&ブラ2


最近、バタバタ忙しいということをついこの間、書いたばかりなのだが、そんなこともあってボーっとしていて、だいぶ前にチケットを買って楽しみにしていた、某来日オーケストラの演奏会に行き忘れるという、過去にしたことがなかったほどの、珍しく勿体ない失敗もあった。


だからCDを聴いて、そんな自分を慰めている。「きっと、つまらないコンサートだったさ」と慰めてみるものの、某掲示板を見たら、かなり良い演奏だったらしく、当夜の名演に対する熱狂が文章から伝わってきた…。クソー。見なければよかったとさらに後悔をしている。


◇  ◇  ◇


そんなわけで、家でCDを聴いている。


マリス・ヤンソンスロイヤル・コンセルトヘボウ管(以下、コンセルトヘボウ)によるライブ録音CDが、RCOライブという自主レーベルで発売されているのを見つけたので、いくつか買ってきた。


Symphony 2 (Hybr)

Symphony 2 (Hybr)


このCDには、ベートーヴェン交響曲第2番と、ブラームス交響曲第2番が収められている。


同じ2番でも対照的な2曲で、ベートーヴェンの2番が、世に出てこれから巨人化しようとしていく楽聖の気鋭の一曲だとしたら、ブラームスの2番は、安定感があって、きわめてリラックスしたムードに覆われている。先人・ベートーヴェンの偉業におびえながらウン十年かかってようやく初めての交響曲を書いたブラームスだったが(それが交響曲第1番)、2番はあっという間に出来上がった。肩の荷がおりたのだろう。数か月で仕上げた曲にもかかわらず拙い部分はまるでなくて、自然の美を歌う牧歌的な名曲で、完成度も高い円熟の作品である。


このCDでのヤンソンス&コンセルトヘボウの演奏は、結論から言うと、ベートーヴェンの2番の方が数段上のレベルだと思う。


ベートーヴェンの第2番は、大曲・第3番「英雄」の前の曲だけあって、どうしても地味で、過小評価されがちな曲だが、近年ではこの曲の地位も上がってきていて、オリジナリティーのある名曲という位置づけで見られつつある。なるほど、第2楽章は繊細で美しいし、第3楽章のスケルツォも、リズムが小気味よい。ヤンソンスが振るコンセルトヘボウの演奏の精度は素晴らしく、実によくまとまっている。止まるところではパッと止まるし、鳴らすところでは品位を保った状態で盛大に鳴らす。巨大な世界ではないが、小さな、秩序立った世界を見せている。フィナーレは大変熱狂的で、燃える。


ヤンソンスの音楽作りの特色は、奇を衒ったところがなく、基本的にはオーソドックスで、きちんとした骨格を示す一方で、小難しくなくて、最終的には観客を熱狂させる指揮者だと私は思っている。


ブラームス。全体的に速いテンポで、私は嫌いではない。ただ表面的というか、少しスマートすぎるように感じた。オーケストラの演奏のレベルには文句のつけどころがないが、ブラームス交響曲とはもっとゴツゴツしていたり、揺れたり、爆発したりするものなんじゃないかとも思ったりする。あとは、第4楽章も少々、前のめり気味だ。速すぎると感じた。とはいえ、私はブラームス交響曲第2番がとても好きなので、それなりに満足する。また、ライブということを考えると、第4楽章の速さについては、これはこれでアリなのかもしれない。


ちなみに、ヤンソンス&コンセルトヘボウは今月、来日予定である。私は京都公演のチケットを購入している。高価だった。今度は忘れないようにしたい。


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