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『はり重グリル』


ごく最近に行った店ではないのだけれども、今夜は『はり重グリル』について書いてみたいと思う。


『はり重グリル』は精肉店が経営する洋食屋で、大阪難波の一等地にある。難波駅から御堂筋を北に歩いて行って道頓堀川を越えたところの右手にある。近隣に(というか同じ土地に)、同系列の、すき焼きの『はり重』、カレーや丼やセットメニュー中心の『はり重カレーショップ』もある。価格で言うと、高価な順で、『はり重』>『はり重グリル』>『はり重カレーショップ』という順番となり、肉を食べたい時に予算に応じて選べるのがうれしい。


『はり重グリル』は、いろんな意味で「昭和」を感じさせる店だ。


店に入るとまるで昭和時代にタイムスリップしたかのような感覚に陥る。あるいは子供のころに親に連れられて東京の洋食屋に初めて行った感覚が蘇る。店は奥に広く、お屋敷の大広間のような空間に白いテーブルクロスが張られたテーブルがいくつか見える。テーブルも椅子も大きく頑丈である。レトロな調度。ノスタルジックな雰囲気が溢れている。最近の飲食店のように少数の店員で切り盛りするのではなく沢山の従業員が待機していて、厨房と店を隔てた壁に姿勢良く一列に並ぶ。接客は丁寧ではあるが気が利いているわけではない。


例えば映画で、時代は昭和初期、ど田舎出身の主人公が、都市に出てきて、洋食なるものを食べるという場面を撮影するとしたら、大阪ではまず第一候補に挙がる店だと思う。



私はこの日ビーフカツを注文した。セットメニューはなく、単品で2,100円。それにライスをつけた。肉はさすがに上等で、ナイフで切り分けるのに力が要らない。ソースは苦味が若干感じられる、コクのある味わい。ただし、老舗だけあって高価。厳しい目で見ると、味はいまの時代「この値段を出せばもっと美味しいものが食べられるだろう」と正直感じないでもない。しかし、この独特な雰囲気の中では許せる。ハイカラなものを食べているという特別な感覚なので、それにはこのくらいの価格は許容範囲に思える。


難波駅周辺は開発による変化がたいへんに激しいが、こういう店がまだいくつか残っている。

はり重グリル (ハリジュウグリル)
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-9-17


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