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『スター・ウォーズ』の音楽


スター・ウォーズ』の新作が12月18日から公開されるので、様々なグッズが発売されている。私の子供はチョコエッグに夢中で、スーパーに連れて行くたびにねだられている。それでも狙っている「R2D2」がなかなか出ない。


私は、旧6部作の新パッケージ版のブルーレイディスクが11月に発売されたので、それを購入してしばらく観ている。最初の作品は1970年代に作られたもので、振り返ってみると40年も前に作られた作品なのに、今見ても内容的に全然色褪せていない。すごいことだ。



スター・ウォーズ』の魅力の一つに、音楽がある。私は昔から『スター・ウォーズ』の音楽がとても好きだ。「むかしむかし、はるかかなたの銀河系で・・・」と始まる有名な場面で流れるオープニングの楽曲のインパクトは、リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の冒頭に勝るとも劣らない。『レイア姫のテーマ』は、なんとなくマーラーアダージョ楽章のようでもあるし、『帝国のマーチ』は、ショスタコーヴィチの作品みたいだ。もしかしたら、『スター・ウォーズ』の中の名曲は、100年後には、クラシック音楽の名曲と並んで、当たり前のように、演奏会のプログラムに入るようになっているかもしれない。


作曲家のジョン・ウィリアムズは、アメリカ映画の著名な作品の音楽を多数担当したというだけでなく、自身がアメリカ映画の歴史の一部であるような、巨大な存在である。「巨匠」という言葉では小さく感じられてしまうほどだ。思いつく作品をいくつか挙げるだけでも、『ジョーズ』、『E.T.』、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『ジュラシック・パーク』シリーズ。『ハリー・ポッター』シリーズもだ。もちろん、新作の『エピソードVIIフォースの覚醒』の音楽も担当している。これらの作品で、ジョン・ウィリアムズの音楽は、どこまでが音楽の魅力で、どこからが映画の魅力というふうに、音楽と内容の区別ができないほど、内容と密接に関連している。私は、その映画のことを考えた時に、まず彼の音楽が頭に浮かんでくる。大体、誰かが存在しなくても、別の誰かが変わってその位置に就くものなのかもしれないが、映画音楽史においては違うと思う。ジョン・ウィリアムズが存在しなかった映画音楽史はちょっと想像しがたい。



このCDは、映画のいわばベストアルバムだ。本来は、各作品ごとのサントラの方が良いのだろうが、名曲揃いなので、まずはこのアルバムが良いかもしれない。最新リマスタリング盤のため、音質はクリアでソリッド。一枚、膜が剥がれたような鮮明なサウンドを聴くことができる。演奏はロンドン交響楽団によるもので、指揮はジョン・ウィリアムズ自身が務めている。


シェーンブルン宮殿 夏の夜のコンサート2010

シェーンブルン宮殿 夏の夜のコンサート2010


このCDは、発売直後に手に入れたものだが、以前に本ブログで紹介したこともある。ウィーン・フィルの「サマー・ナイト・コンサート2010」のライブ録音で、なんと『スター・ウォーズ』から3曲、『メインタイトル』、『レイア姫のテーマ』、『帝国のマーチ』が選曲されている。しかも『メインタイトル』は冒頭の曲として選ばれている。何も知らない観客は相当驚いたはずだ。


「サマー・ナイト・コンサート」は、毎年7月にウィーンのシェーンブルン宮殿の庭園で行われる野外コンサートで、ウィーンの初夏の風物詩となっている。星空のもとで演奏される、ウィーン・フィルによる『スター・ウォーズ』。それだけでもワクワクが止まらないが、聴いていて本当に感動する。指揮者はフランツ・ウェルザー=メスト。そして、あの天下のウィーン・フィルが、あの有名なテーマを演奏してくれている。


このCDは、途中にホルスト組曲『惑星』の中から、「火星、戦争をもたらす者」がプラグラムされていて、最後は、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ『ウィーン気質』で締めるという素晴らしいプログラムとなっている。その夜の観客にとっては忘れられない初夏の思い出となったはずだ。


旧作のブルーレイを観て、音楽を聴いていたら、18日の公開が待ちきれなくなってきた。