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梅田の『叙々苑』で一人焼肉ランチ


最近あまり行っていないが、私は一人で焼肉に行くのに抵抗がない。というか、自分のペースで食べられるから、むしろ一人で焼肉を食べるのが好きだ。そんな「一人焼肉」が全然平気だが、知人からはけっこう珍しがられる。内心、店も対処に困るのではないかという気持ちもあるが、堂々と行く。しかし一人のためにテーブルの単価が下がるのは店に対して申し訳ないので、できれば高いメニューや、ランチならば高価なセットを注文するようにしている。


焼肉を食べたい気持ちは突然来る。その時に家族が一緒だとは限らない。だから「一人焼肉」。


先日、平日の休みに梅田に行った時、私は突如、焼肉を食べたくなってしまった。梅田で手を打つか、鶴橋まで行くか。あるいは難波。何店か候補が頭の中で挙がったが、そういえば、ルクアにある『叙々苑』に行ったことがないことを思い出した。あの『叙々苑』である。あの『叙々苑』に私は行ったことがなかった。一人焼肉が好きだと言っておきながら。


私は開店前、10時半の時点でルクアの10階の『叙々苑』に向かった。店の前から中の様子をうかがうと、お店の人がランチの当日予約の案内を行っている。ここで名前を伝え、入店時間を聞くシステムのようだ。平日ということもあったのか、11時の予約を取ることができた。以前に来たときは、結構早い段階で昼の予約は遅い時間しか取れなくなっていたので、その日は空いていたのだろうか。近くで時間をつぶして、11時ちょうどに店の前に着いた。ちょうどその時、私の名前が呼ばれていた。



私は窓に面した3人掛けの席に案内された。窓の外には阪急百貨店やHEP FIVEの観覧車が見える。景色も良いし、この席は良かった。本来は3人掛けだが、一人焼肉にも最適だ。店内を見回すと、余裕のありそうなマダムや女子会らしい若い女性が多い。平日の昼前ということもあって、成人男性は私くらいだった。しばらくすると年配の夫婦の姿もちらほら見られた。



私は4,500円の焼肉ランチBを注文した。キムチ盛合せ、サラダ、ナムル盛合わせ、スープに、上カルビ、ヒレ、エビの焼き物。それにライス、ドリンク、デザートがつく。4,500円はランチとしては高価だが、焼肉としては決して高価ではないし、『叙々苑』の夜の価格を考えるとリーズナブルとさえ言えるかもしれない。



エビが2尾。ヒレが2枚。カルビが4枚。量はこんなものかという感じだが、一枚一枚の肉が分厚い。食べると意外に多いかもしれない。



さらにアップで。肉やエビがネギやゴマ、特製の薬味に漬けられている。これは焼くのが楽しみだ。



焼く網は小さい。二人で限界かもしれないが、一人では余裕。肉は予想以上に重みがある。結構大きい。


それらの肉を注意深く、丁寧に、一枚一枚焼く作業は、「一人焼肉」だからこそできることのように思えた。話に夢中になっていたら、この良い肉を焦がしてしまう。私はまるで客に出すみたいな緊張感で自分の肉を焼いている。まだらにサシが入った霜降りのカルビはすぐに火が通る。軽く両面を炙るくらいでちょうどよかった。真ん中に紙一枚の厚さだけ赤い部分が残るくらいが最高だ。そして網から上げた肉をタレにつけて口に入れる。はんぺんみたいな柔らかさだ。口の中で溶けてしまう。これは歯がなくても嚙めるのではないか。タレの味付けは濃厚。大阪の焼肉屋で食べたことのないような濃厚なタレだった。


それとヒレが凄かった。「特上」や「上」でもないのに、鉄板焼きで食べるステーキのような肉だった。カルビと違った味わいが良かった。


量は少ないかとも思われたが、多いくらいだった。味付けが濃厚、というかあまり食べたことのないような「金がかかっていそうな」本格的なもので、満足度も高く、お腹もいっぱいになった。




久しぶりの一人焼肉を堪能した。豊かな肉の余韻を引きずったまま、大阪ステーションシティの屋上庭園や大阪駅の時空の広場を巡り、焼け石に水の如き僅かなカロリーを消費して、家に帰ってきた。

叙々苑ルクア大阪店】

[住所]大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア大阪10F
[営業時間]終日 11:00〜22:00/22:30(ラストオーダー)
[ランチ](月〜金)11:00〜15:00/(土・日・祝日)11:00〜15:00