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『白雲台・グランフロント大阪店』


先日、一人で焼肉を食べてきた。通称『一人焼肉』。一人で食べる焼肉は、孤独で空しく、寂しいものかもしれないが、他人に気を遣わなくて済むのが良い。すべての肉が全部自分のものであるのが嬉しい。また家族で行くと(子供が食べる分が意外にかかるようになってきた)、価格的にも大変なことになるので、最近は専ら一人で行っている。


『一人焼肉』に向いた店は、あるにはあるが、そういう店よりも、みんながいかにも楽しく焼肉を食べている、という賑やかな店で、敢えて、一人で食べたい。「いかにもな焼肉店」は、肉を食べているというテンションが上がる。また、混雑していて、賑やかで、いかにもグループ向きの店でも、ランチをやっていたりすると、途端に敷居が下がる。そういう店を選んで最近は行っている。


私が先日行ったのは、『白雲台グランフロント大阪店』という店だった。鶴橋の本店には行ったことがあるが、グランフロント大阪の店舗は初めてだった。調べてみると、嬉しいことにお得なランチメニューがある。


鶴橋の本店の印象だが、この店は、安い店でなく、どちらかと言えば鶴橋でもやや高級路線の店だが、霜降りの肉とか、柔らかい肉とかを売りにする店ではない。『叙々苑』などとは違う。韓国風の豪快な焼肉を提供する店だ。肉は分厚く、タレも味付けがしっかりしていて、まるで韓国で焼肉を食べていると錯覚する。


大阪の店は、『グランフロント大阪』の南館のレストランフロアにある。平日だったので、混雑していなかったが、カップル(ビールを飲んでいる)や、夫婦や(ビールを追加している)、肉を焼きながら水割を楽しんでいる年配の客が私の視界に入った。昼酒の嬉しさ、わかる。しかし私は風邪気味だったので、アルコールは控えた。


私はまずロースの130グラムの定食をメインに、追加で塩タンを注文した。ロース定食が1,400円、塩タンの単品が1,500円だった。定食と単品の価格が逆転しているが、ランチだとこういうことはよくある。しかし合わせて2,900円。夜であれば絶対にこの値段で焼肉は食べられない。



タレ。タレがなければ始まらない。焼肉とは、タレに始まり、タレに終わる。どんなに肉が素晴らしくても、タレが合わなければ、満足度が低い。タレとは相性で、高級店だから良いというものでもない。



定食なので、ナムルやキムチなどが標準で付いてくる。キムチは辛いばかりでなく、酸味のある韓国風の味付けだ。



塩タン。これで1,500円は高くはない。座布団を思わせるような大きさ。その辺の油揚げみたいに無造作に皿に置かれているが、これは牛タンだ。『白雲台』は本店もそうだったが、塩タンがかなり良い。牛タン料理専門店にも負けていない。



続いて、定食のメインのロースが運ばれてくる。ロースのイメージではない。カルビは豪快。ロースは華麗。そういうイメージを持っていたが、これは何なのだろう。何とも豪快。塩タンが座布団なら、こちらはタイヤだ。タイヤが4本。丸まっていて、ロールキャベツみたいだ。



そして至福の時。ロースは広げると大きすぎるので、はさみで切って食べる。もともとタレに漬け込んであったものを、秘伝のタレに付けて食べる。定食なので御飯が標準で付いてくるので、ご飯にのせて食べる。肉はそれほど柔らかいものではないが、大きさといい、厚みといい、存在感抜群である。家では焼けないような厚みのある牛肉を、豪快に強火で炙る。この感じは、韓国の地元の人が集まるB級グルメ焼肉店で食べている感じだ。


巨大なロースをはさみでチョキチョキ切っていると、いま自分は焼肉を食べているのではなく、違う作業をしているように思えてくる。工作でもしているような気持ちで、手を動かし、口を動かす。しかしこれは、タレが好きな感じなので、満足度が高い。ご飯はおかわりも可能だが、私は一杯でやめておいた。それでも塩タンを別に注文した分、満腹になってしまった。

【白雲台グランフロント大阪店】

住所/大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪 南館 7F
営業時間/11:00〜23:00
定休日/年中無休