USHINABE SQUARE

クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

神戸元町の『ハナワグリル』

先日、神戸元町にある洋食店『ハナワグリル』に行ってきた。昭和6年創業の老舗で、数々の文化人、有名人に愛された名店として知られる。


私はJR大阪駅から新快速電車に乗り、三宮でいったん下車し、普通電車に乗り換える。そして一駅、元町駅で降りた。『ハナワグリル』は元町駅の北側にある。元町は、買い物で人がよく訪れるのは南側で、大丸百貨店も南側にある。メリケンパークや南京町などの観光地も南側に集中していて、『ハナワグリル』はそれと反対側にある。こちら側に向かうことはあまりないなと思いながら、急な坂道を歩いていた。駅からの距離はそれほどでもなく、すぐに着いた。



店に入ると、先客は二人いた。女性の二人組だけだった。平日ということもあって、空いていた。私は静かな店内で食事をするのが好きだ。平日の昼に、他人の会話に邪魔されずに、一人で食事をするのは、とても充実した時間を過ごしているように感じる。その後、四人組の女性客が入ってきて、けっこう騒がしく会話していたのだが、意外に気にならない。店が広いのだろうか。同じ音量でも気になる店と気にならない店がある。店の落ち着いた雰囲気が、少々の騒がしさを消してくれる。


私は、「今日はビフカツ(ビーフカツ)を食べる」と決めていたので、ビフカツランチを注文する。神戸でビフカツを食べるということだけで心が躍る。100グラム2,300円、150グラムで3,300円だったので、私は大きいほうを注文する。3,300円というのはけっこう決心がいる価格かもしれないが、日ごろは、昼にコンビニのおにぎりで済ますこともあるので、たまにはこうやってバランスを取ったとしても罰は当たらないだろう。


そのうちに私の料理が運ばれてくる。



まずはスープが提供される。スープは日替わりで、具はしめじと冬瓜だった。コショウの香りに加え、和風のだしの効いたスープで、最初から「そのへんにある洋食屋」とは違う雰囲気のメニューだ。



続いて、サラダ。単に野菜を食べるというだけでなく、胡瓜の皮の処理など、芸が細かい。こういう工夫があるのが嬉しい。


その後、年配の男性の一人客が店の入り口のドアを開けて入ってきて着席する。何となく余裕のありそうな老紳士で、メニューについて店の人とやり取りをしている。私は、こういう人はスマホで事前にメニューをチェックするなんてことはしないのだろうなと考えていた。看板メニューや評判には目もくれず、その日のフィーリングで決める。車はたぶん二つ前くらいの世代のクラウンだろうなとか勝手に想像しているうちに、その人は、ステーキを注文していた。私はステーキという発想はなかった。一瞬、心が揺れ動いた。しかし、今日はビフカツだ。



いよいよメイン。ビフカツが登場する。店によって、最初から切っているタイプの店と、自分で切るタイプの店があるが、こちらは後者だ。フォトジェニックなのは、切れた断面を見せることだが、味はどちらも一緒だ。きちんとしたビフカツは切るのも容易なので、私は自分で切るる。付け合わせの野菜も、焼いたものと茹でたものがあって凝っている。



ナイフとフォークを使って切ると、断面は綺麗なピンク色だ。焼き加減(揚げ加減)?はミディアムで、口に入れると、衣のサクッとした触感。肉は柔らかく、内側にかけて次第に弾力を増す。ぐにゅぐにゅとグミみたいな触感。爆発的な旨みが口の中で広がる。ビフカツは牛肉を油で揚げただけのものではない。たんにトンカツの牛肉版ではない。どうしてこんなことになるのか、ビフカツを食べるたびに毎回不思議だが、牛肉を揚げるだけで、ステーキともトンカツとも全く違ったジャンルのものとなってしまう。トンカツという評価軸で評価すると上限を振り切ってしまうし、ステーキという評価軸で評価すると審査員特別賞に値する。昼から3,300円は高価だが、安い居酒屋で飲むよりも安い。それなのに満足度は上回る。


【↓↓↓過去のビフカツについてのブログは下記を参照↓↓↓】

ushinabe1980.hatenadiary.jp

ushinabe1980.hatenadiary.jp


次のビフカツはいつになるかと考えると、食べ終えるのが名残惜しかった。日ごろはコンビニのおにぎりを4口くらいで食べてしまうのに、ゆっくりと噛みしめる。一人の充実した食事の時間を味わった。これから行ってみたいところが山ほどあった。まだ半日ある。私は食後の珈琲を味わいながら、これから、観光地が集中する元町駅の南側のどこから行こうか思案していた。

【ハナワグリル】

所在地/神戸市中央区北長狭通4-3-13 兵庫県私学会館1F
営業時間/11:30~20:30
定休日/12月30日31日・1月1~3日