チャイコフスキー・交響曲第1番「冬の日の幻想」
チャイコフスキーの交響曲というと、コンサートでは4〜6番「悲愴」といった後期の曲が頻繁に演奏される一方、あまり取り上げられないものの1〜3番までの初期の交響曲も名曲揃いだ。
私は初期の交響曲の中では「小ロシア(ウクライナ)」の標題を持つ第2番を最も好んでいるが、初期の交響曲の中で比較的、一番演奏機会が多いのは、第1番「冬の日の幻想」だろう。
もちろん第1番「冬の日の幻想」も名曲だし、いまの季節にぴったりの曲といえる。
私は「標題マニア」なところがあって、それが作曲者本人がつけたものでないにしろ、そういう曲が気になって仕方がない。あまり知られていない曲であればあるほど、標題が付いているものを聴きたくなる。
例えば、ドヴォルザークの交響曲第1番「ズロニツェの鐘」や、メンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」なんて、聴く前から「どんな曲なんだろう」と気になって仕方がなかった。
そういう点では、チャイコフスキーの最初の交響曲も「冬の日の幻想」という標題がつけられていて、気になる曲の一つだった。
◇ ◇ ◇
第1楽章は、スピード感があって冬の嵐のようだ。吹き叫ぶ嵐の中を歩く旅人の姿が見える。
第2楽章は、もの悲しいロシア風の旋律。冬の陰鬱な気候。
第3楽章は、スケルツォ。幻想的で、舞うような音楽。
そして、とにかく一度聴いて欲しいのが第4楽章で、大変面白い、聴きごたえのある音楽になっている。ここではゲーム「テトリス」のBGMに使わそうな、ノリの良いロシア民謡が使われている。そしてフィナーレはものすごい盛り上がりで終わる。念押し、念押し、念押しというラストだ。こういう曲をコンサートで聴いたら、拍手も鳴り止まないだろう。
- アーティスト: スメターチェク(ヴァーツラフ),チャイコフスキー,ボロディン,プラハ交響楽団,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
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チャイコフスキー : 交響曲第1番「冬の日の幻想」&序曲「1812年」
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- アーティスト: チャイコフスキー,マゼール(ロリン),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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美しいジャケット。ジャケ買いしてしまいそうなスメターチェク盤はスピード感があって、颯爽とした音楽を聴かせてくれる。冬の嵐のような感じだ。スヴェトラーノフ盤はゆったりとしたテンポで歌い、細部まで美しさを聴かせる。悪天候の中、雲の切れ間に一瞬見られる陽のようだ。マゼール盤は全体を通してオーケストラの迫力が凄い。5番を演奏するような盛り上がりだ。録音も最高に良いので、何回もの愛聴に足る。
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