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岡山の旅(1)『天神そば』・『冨士屋』~岡山ラーメン編

自分一人のための休みが取れない日がしばらく続いていた。子供の運動会やゴールデンウィークで休んでいたはずなのに、休んでいない時のような気分がなぜか続いていた。それは一人の時間が取れなかったため、気分的に、精神的に自由な時間が意外に少なかったからかもしれない。「休日らしい休日」を一人で満喫する。それがここ数日抱いていた密かな願いだった。


そんな中、頭の中を占めていた計画が、岡山まで行くことだった。平日の休みがあれば、行ってみたい。私は岡山まで日帰りで行って帰る計画を温めていた。朝起きて、上の子を小学校に送り出し、下の子を保育園に預けた後、ふらっと岡山まで行ってみようか。そのくらい遠くまで行けば、休日らしい休日を味わえるのではないか。岡山の観光地に行って、岡山グルメを満喫して、その日の夕方、何事もなかったかのように家に帰ってくる。それはとても魅力的な計画のように思えた。


そして待望の平日の休みが訪れる。私は朝からそわそわしていた。私はより具体的に、岡山への日帰り旅の目的を大きく「岡山ラーメンと後楽園」ということに決めた。ラーメンなら時間をずらせば二杯食べられるはずだ。岡山ラーメンの店として、過去に行ったことのある『天神そば』と『冨士屋』を選んだ。そして後楽園。日本三名園の一つ。今の季節、新緑がきっと綺麗だろう。後楽園を岡山ラーメンで挟むというのが、時間的にもちょうどよさそうで、後は成り行きで他も可能であれば行ってみるということで、私はまずは新大阪駅へ向かう。


岡山は新大阪から50分とかからず、とても近いが、仕事でも帰省でも家族旅行でもないのに、わざわざ新幹線に乗るということが、普通でない気分だった。しかも目的の一つは、ラーメンを食べに行くという、他の人からはなぜそんなことのためにと思うような動機で。岡山は私が10年以上前に仕事でよく出掛けていった場所だ。様々な通りを車で走り、表町や奉還町の商店街をよく歩いていたものだった。岡山に行けば、昔の懐かしさも思い出されるかもしれない。



岡山駅を降りて駅前に立ち懐かしい桃太郎大通りを眺めた瞬間、10年以上前の記憶がほとんど蘇ってこないことを知った。懐かしさもそれほど込み上げてこないのだった。そこは多少知った、どこにでもある都市で、例えば、和歌山駅で降りたとしてもそれほど変わらない印象だったかもしれない。何となく思い出す風景もあるが、その風景を通して懐かしい思い出が走馬灯のように駆け巡るということはなかった。10年は昔すぎたのだろうか。


とはいえ、私は最初の目的地を目指す。岡山ラーメンを食べなければならない。そのために、朝食も抜いてきたのだった。


◇  ◇  ◇


岡山ラーメンと後楽園の旅は『天神そば』から始まる。『天神そば』は、路面電車城下駅からすぐのところにある。



私は路面電車にそれほど馴染みがないので、その路面電車という交通機関にテンションが上がる。旅はプロセスも大事だと実感する。バスでもなく地下鉄でもないというのが良い。都会で働くビジネスマンならば岡山駅から『天神そば』までは徒歩圏内だが、私は路面電車に乗りたい。路面電車なら5分もかからず到着する。


『天神そば』は昼のみの営業で、10時半から開店している。昼は行列ができることも珍しくないが、11時前だったので空いていた。岡山を代表するラーメン店で、岡山ラーメンとしては最も有名なお店だ。店内は狭く、カウンターが5~6席。4人掛けのテーブルが二つ。多くの場合満席で客はひしめき合って食べる。相席が基本である。私が昔行った頃は、ご主人がやっていたが、いまは女将さんがされている。カウンター越しの厨房も狭いが、その狭いスペースに女性の店員が4名。4バックの4人のディフェンダーのように、それぞれ役割が決まっており、コンビネーションは抜群。料理はすぐに提供される。


カウンター越しの厨房を占有するのは急な階段であり、あの上はどうなっているのかといつも考えるのだが、聞いたことはない。食べたらさっと店を出るので機会がないままになっているが、気になっている人は多いはずだ。そして、その階段の側面にメニューが掲げられている。メニューは「1.天神そば」、「2.肉抜き玉子入り」など書かれており、客は「1番で」と、番号で注文している。そういえばそうだった、と思い出す。私も「1番お願いします」と注文する。



すぐに料理が提供される。まずはスープを飲む。大変美味しい鶏ガラのスープである。「昔ながら」みたいな醤油風ラーメンの写真からは想像もできないくらい、はっきりとした主張のスープである。醤油に鶏が勝っている。これは手間暇に加え、かなり金がかかっているなと思った。一杯のラーメンに対し、鶏一羽使うそうである。麺はストレートの中麺でスープに合う。チャーシューは分厚いものが4枚も。これはチャーシューメンを名乗ってもよいレベルである。太っ腹だ。そして味は人生で食べた全ラーメンのベスト5に入る。かと言って3位はどこなのかと聞かれると困るが、現在、この瞬間は1位にしても良いかもしれない。それは過去の岡山での記憶によって補正されているのか。そうではない。なぜなら昔地元で食べた美味しいと言われていたラーメンはベスト5には入らない。それは『天神そば』の歴史と力であり、やはり多くの人が美味しいと言う有名店とは違う。このために来たとしても過言ではないと思った。


私が食べたメニュー、天神そばは800円だった。最近はラーメンも1000円近くするものが増えているのでは、この内容でこの値段は良心的だ。私は食べ終えると、混み出す前に店を出る。



店を出るころにも行列はできていなかったが、その後この辺りを通った時には、7人ぐらいが並んでいた。行列ができる店なのだ。


◇  ◇  ◇


時系列で言えば、この後、後楽園に向かうのだが、ラーメンつながりで先に『冨士屋』に行った顛末に触れる。



私は再び岡山駅に戻ってきて、二軒目のラーメン店『冨士屋』を探す。『冨士屋』は岡山駅から近い奉還町にある。過去には、私は岡山に着いたとき、または帰るときによく寄った。今回もそのような形となったのだが、久しぶりなので、大体の見当をつけて歩くがなかなか見つからない。岡山駅の西口から全日空ホテルの前を通って、真っすぐ行って、左に行って、また真っすぐ行って、と覚えていたのだが、一向にそれらしき店が見当たらない。結局、グーグルマップで探して見つけることになった。記憶とはあてにならないものである。


『冨士屋』の向かいにはこちらもまた岡山ラーメンの名店『浅月本店』があり、どちらで食べるかよく迷った。岡山を代表するラーメン店が向かい合って位置している、この二軒の向かい合ったロケーションはとても興味深く、ライバル関係のようでもあるし協調関係のようでもある。まるで京都駅近くで隣り合って営業している『新福菜館』と『本家第一旭たかばし本店』みたいだと思う。どちらを選んでも間違いない、というのが良い。今回は『冨士屋』を選ぶことになった。そもそも『浅月本店』はこの日、定休日だったのだが。


『冨士屋』は、昭和25年創業の岡山ラーメンの源流とも言われる名店だ。店に入ると、昔の食堂のようなレトロな雰囲気で、確かに歴史を感じる趣となっている。左手に厨房があり、持ち帰り用の中華麺とチャーシューが陳列されている。進むとカウンター席がある。右手奥にはテーブル席があって、さらに奥が座敷となっている。テーブル席が満席で、カウンター席も混雑していたため、私は奥の座敷を案内される。


私はその日二杯目のラーメンとして、680円の中華そばを注文する。チャーシューメンも捨てがたいが、二杯目にそれは贅沢しすぎだと感じ、最も王道のメニューを選んだ。客は若いカップル、男性の一人客に混じって、金髪の外国人夫婦が中華そばを食べている。ラーメンも岡山もインターナショナルである。私が座っている座敷の奥がガラス戸となっていて、そこからも声が聞こえる。個室もあるのだろうか。店の人のスペースだろうか。


そうこうしているうちに料理が運ばれてくる。



これは食べる前から間違いなく美味しい。そして食べてみて納得する。確かにこういうい味だった。私は『冨士屋』の味を10年越しでもはっきり覚えていた。『天神そば』の鶏ガラベースとは違う方向性の豚骨醤油。濃い目でコクがあるが、甘みもあって優しい。これはこれでひとつの完成形のような気がする。麺は中細のストレート麺。チャーシューもたっぷり。岡山のラーメンはレベルが高い。


私が帰る頃にも客足は途絶えることがない。サラリーマンの二人組が店に入ってくる。通し営業なのも使い勝手が良いのか。



『天神そば』と『冨士屋』。二軒のラーメン店。二杯のラーメン。新大阪との往復で1万円以上かけて食べに来たが、それだけだったとしても後悔のない美味しさだった。


後楽園編は次回に続く。

【天神そば】
住所/岡山県岡山市北区神町1-19
営業時間/10:30~14:30
定休日/土曜・日曜・祝日

【冨士屋 】
住所/岡山県岡山市北区奉還町2-3-8
営業時間/11:00~19:30
定休日/水曜日

サイモン・ラトル&ベルリン・フィルのベートーヴェン交響曲全集

サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィル演奏によるベートーヴェン交響曲全集を愛聴している。


演奏の収録は2015年秋で、2016年にまず、ブルーレイ同梱版が発売された。このBOXセットは、ベルリン・フィルによる自主レーベルからのリリースで、(内容的を考えると安いといえるかもしれないが)これまで彼の録音を発売してきたEMIやグラモフォンといったレーベルからするとかなり高価だということもあって、私はなかなか手に入れることができなかった。


私が購入したのは、SACD Hybrid版で、2018年に発売されたものだ。CD5枚組で中のケースが紙ジャケット仕様なので取り出すのに気を使うが、再生は普通のCDプレイヤーで問題なく行うことができる。私はSACDプレイヤーも持っており、もちろんそちらでの再生も可能だ。


SACD Hybrid版(CDプレイヤーで再生可能)


■ブルーレイ同梱版

BEETHOVEN SYMPHONIES 1-9 -CD+BLRY-(5CD+3BLRY)

BEETHOVEN SYMPHONIES 1-9 -CD+BLRY-(5CD+3BLRY)


手に入れた日から、1番から9番まで順番に聴いていくと、いままで聴いたことのないような素晴らしい演奏で、これはひょっとすると史上最高の演奏ではないかとさえ感じるほどのものだった。2002年から首席指揮者として関わってきたベルリン・フィルが、完全に彼の楽器となった。ラトルは2018年で既に首席指揮者を退任しているが、任期終盤でついにベートーヴェンの決定版を残した。これ以降のベートーヴェン交響曲の演奏は、この演奏を知ったうえで行うことになるのかと考えると、改めて彼らが到達したレベルに驚かざるを得ない。


どの演奏もベストに近く、私にとっては、これ以上、何を望むのかという感じだった。点数をつけるのは難しいが、敢えてつけてみたい。


1番・・・・98点
2番・・・・96点
3番・・・・95点
4番・・・・96点
5番・・・・95点
6番・・・・97点
7番・・・・97点
8番・・・・96点
9番・・・100点


軒並み高得点が並ぶ。最初に聴いた1番は鮮烈だった。ラトルの意欲的な音楽作りとベルリン・フィルの演奏の精度の高さが一体となって、この全集を盛り上げる。6番『田園』は、ずっとオーケストラの音に浸りたい気持ちになる。こんなに良い音で聴くことができて良いのだろうかと、幸せな気持ちになる。9番『合唱』は、判断基準を超えている。過去に聴いた名盤・名演を思い出しながら、大体自分の中の基準で評価していくのだが、聴き終えたときの感動はそれを超えていた。演奏の質、テンションの高さ、また第九らしい精神性。これは演奏の力だろうか。第九の力なのだろうか。しかしつまらない演奏を聴くと、曲に失礼だと思う時もあるので、曲の素晴らしさが再現される演奏こそが素晴らしいはずだ。まるで第九が初演された場に居合わせたようなリアルタイムの感動があった。どうしてCDにこれほどの情報が入り切るのだろうか。とにかくすごい演奏なので、是非一度聴いてみてほしい。


サイモン・ラトルウィーン・フィル

Beethoven Symphonies

Beethoven Symphonies


ラトルによるベートーヴェン交響曲全集としては、ウィーン・フィルとのコンビで録音したEMI版が有名で、私もそれをよく聴いた。若く、アグレッシブで意欲的で、伝統的なベートーヴェンらしくないベートーヴェンに、ウィーン・フィルらしくないウィーン・フィル、指揮者とオーケストラの緊張関係が火花が散るようで、とても興味深い演奏で、今でも時々聴く。それに対し、ベルリン・フィルとの新しい録音では、ラトルはラトルらしく、ポジティブで意欲的。ベルリン・フィルはいかにもベルリン・フィルらしく、スマートでモダン。長年のパートナーシップで様々な実験・試行を経て経験を積み、気が付いたら周りに誰もいなくなるくらいのレベルに達していた。一言でいうと「孤高」。よくぞここまで。その成果を見て(聴いて)、感慨深いものがある。

富士フイルム『X-T3』を買った

富士フイルム『X-T3』を買った。私のもとには初代『X-T1』が絶賛稼働中だったが、購入は4年前。評判の良かった『X-T2』を飛ばしているし、『X-T10』も『X-T20』も『X-pro2』も、『X-E3』も見送っているので、そろそろ買っても良いかと自分に言い訳をして、2月末に購入した。キャッシュバックキャンペーンで10,000円戻ってくるのもよかった。キャンペーンが終わったのに、私が購入した店では何故か値上がりしている。値上がりするシーズンなのか。これから消費税増税を織り込んだ価格設定になるのか。



*1


(↓↓↓『X-T3』で撮影した写真はこちらで公開しています↓↓↓)
ushinabe1980.hatenablog.com


私の持っているカメラの中で、常時稼働しているカメラは、富士フイルム『X-T1』を筆頭に、『X100T』、ソニー『RX100M3』、キヤノンPowerShot G9X』、リコー『GR』、ニコン『D610』、オリンパス『E-M5』の7つ。レンズも多数。使いきれない。はっきり言って、一生これらだけで問題なくいけるだろうが、どうして懲りずにカメラを購入し続けるのだろうか。


第一、私は作品を撮るわけではない。コンクールに応募するわけでもなく、海外旅行に行くわけでもない。こだわったモノ撮りをするわけでないし、鉄道写真を撮るわけでもない。せいぜい、公開しない家族の写真を撮ったり、一人で休日に出かけていくときに持っていく程度だ。


*2


それでも、新しいカメラを携えて出かけていく休日はテンションが上がる。初日はまだ恐る恐るで、新しいカメラが馴染まない。フィルムシミュレーションの出方や、ホワイトバランスの癖、オートフォーカスの精度も、以前のカメラとはまた違っていて、すぐには慣れない。機能としては優れているのに、以前と同じ雰囲気の写真が撮れない。3~4回目になってようやく新しいカメラの個性がわかってくる。自分の手足のように。自分の目のように。だんだん楽しくなってくる。時々の休日には必ず持って出かけていく。


2月。大阪スカイビル。買ってすぐの頃は、まったく馴染まない。他人の手でご飯を食べるようである。性能は凄いのに使いこなせない。


2月。建仁寺


2月。建仁寺両足院。


2月。梅。京都御室の仁和寺。恐る恐る。新しい道具を携えて歩く休日の京都。楽しさは格別だが、まだ道具が馴染んでこない。しかしその問題は時間が解決してくれるだろう。


3月。梅。京都御苑


3月。寿司。


3月。センバツ高校野球。甲子園にも持っていく。私は毎回、無料の外野席なので(夏の甲子園と違いセンバツの外野席は今でも無料開放)、以前のカメラでもこのアングルの写真を撮ったかもしれない。


4月。太陽の塔。実物は巨大で迫力満点だ。


2月に購入していまは4月なので、少しずつ馴染んできた実感がある。フィーリングは良好である。

*1:RX100M3で撮影

*2:RX100M3で撮影

神戸元町の『ハナワグリル』

先日、神戸元町にある洋食店『ハナワグリル』に行ってきた。昭和6年創業の老舗で、数々の文化人、有名人に愛された名店として知られる。


私はJR大阪駅から新快速電車に乗り、三宮でいったん下車し、普通電車に乗り換える。そして一駅、元町駅で降りた。『ハナワグリル』は元町駅の北側にある。元町は、買い物で人がよく訪れるのは南側で、大丸百貨店も南側にある。メリケンパークや南京町などの観光地も南側に集中していて、『ハナワグリル』はそれと反対側にある。こちら側に向かうことはあまりないなと思いながら、急な坂道を歩いていた。駅からの距離はそれほどでもなく、すぐに着いた。



店に入ると、先客は二人いた。女性の二人組だけだった。平日ということもあって、空いていた。私は静かな店内で食事をするのが好きだ。平日の昼に、他人の会話に邪魔されずに、一人で食事をするのは、とても充実した時間を過ごしているように感じる。その後、四人組の女性客が入ってきて、けっこう騒がしく会話していたのだが、意外に気にならない。店が広いのだろうか。同じ音量でも気になる店と気にならない店がある。店の落ち着いた雰囲気が、少々の騒がしさを消してくれる。


私は、「今日はビフカツ(ビーフカツ)を食べる」と決めていたので、ビフカツランチを注文する。神戸でビフカツを食べるということだけで心が躍る。100グラム2,300円、150グラムで3,300円だったので、私は大きいほうを注文する。3,300円というのはけっこう決心がいる価格かもしれないが、日ごろは、昼にコンビニのおにぎりで済ますこともあるので、たまにはこうやってバランスを取ったとしても罰は当たらないだろう。


そのうちに私の料理が運ばれてくる。



まずはスープが提供される。スープは日替わりで、具はしめじと冬瓜だった。コショウの香りに加え、和風のだしの効いたスープで、最初から「そのへんにある洋食屋」とは違う雰囲気のメニューだ。



続いて、サラダ。単に野菜を食べるというだけでなく、胡瓜の皮の処理など、芸が細かい。こういう工夫があるのが嬉しい。


その後、年配の男性の一人客が店の入り口のドアを開けて入ってきて着席する。何となく余裕のありそうな老紳士で、メニューについて店の人とやり取りをしている。私は、こういう人はスマホで事前にメニューをチェックするなんてことはしないのだろうなと考えていた。看板メニューや評判には目もくれず、その日のフィーリングで決める。車はたぶん二つ前くらいの世代のクラウンだろうなとか勝手に想像しているうちに、その人は、ステーキを注文していた。私はステーキという発想はなかった。一瞬、心が揺れ動いた。しかし、今日はビフカツだ。


[


いよいよメイン。ビフカツが登場する。店によって、最初から切っているタイプの店と、自分で切るタイプの店があるが、こちらは後者だ。フォトジェニックなのは、切れた断面を見せることだが、味はどちらも一緒だ。きちんとしたビフカツは切るのも容易なので、私は自分で切るる。付け合わせの野菜も、焼いたものと茹でたものがあって凝っている。



ナイフとフォークを使って切ると、断面は綺麗なピンク色だ。焼き加減(揚げ加減)?はミディアムで、口に入れると、衣のサクッとした触感。肉は柔らかく、内側にかけて次第に弾力を増す。ぐにゅぐにゅとグミみたいな触感。爆発的な旨みが口の中で広がる。ビフカツは牛肉を油で揚げただけのものではない。たんにトンカツの牛肉版ではない。どうしてこんなことになるのか、ビフカツを食べるたびに毎回不思議だが、牛肉を揚げるだけで、ステーキともトンカツとも全く違ったジャンルのものとなってしまう。トンカツという評価軸で評価すると上限を振り切ってしまうし、ステーキという評価軸で評価すると審査員特別賞に値する。昼から3,300円は高価だが、安い居酒屋で飲むよりも安い。それなのに満足度は上回る。


【↓↓↓過去のビフカツについてのブログは下記を参照↓↓↓】

ushinabe1980.hatenadiary.jp

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次のビフカツはいつになるかと考えると、食べ終えるのが名残惜しかった。日ごろはコンビニのおにぎりを4口くらいで食べてしまうのに、ゆっくりと噛みしめる。一人の充実した食事の時間を味わった。これから行ってみたいところが山ほどあった。まだ半日ある。私は食後の珈琲を味わいながら、これから、観光地が集中する元町駅の南側のどこから行こうか思案していた。

【ハナワグリル】

所在地/神戸市中央区北長狭通4-3-13 兵庫県私学会館1F
営業時間/11:30~20:30
定休日/12月30日31日・1月1~3日

SONYのノイズキャンセリングイヤホン『MDR-NWNC33』

ウォークマン用に、ノイズキャンセリングイヤホン『MDR-NWNC33』を買った。



【↓ウォークマンを買った話はこちら】
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私はソニーゼンハイザーのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンも持っていて、それらの音と使用感は素晴らしいものがあった。しかしそれらはヘッドホンとしてはコンパクトとはいえ、入れるカバンも選ぶので、日頃持ち歩くが億劫になってきた。したがってウォークマンに付属のイヤホン『IER-NW500N』で済ますことが多くなってきたのだが、問題が出てきた。ハウジングが円筒状になっていて、耳への収まりが悪い。深く入れすぎると痛くなり、浅いと落ちてしまう。この『IER-NW500N』だって、ウォークマンに付属のイヤホンなのでバランスが悪いはずはなく、単体で1万円くらいするものなのでクオリティは高く音質もなかなかのものだが、一度気になると、ずっと気になってしまう。


そこで、小さくて、そこそこのもので良いので、耳が痛くならないものを望み、検討中だった。結果的に選んだのは、ウォークマン専用の『MDR-NWNC33』だった。この製品は10年近く前から売られていて、まだあったのかという感じだが、3000円台という値段で気軽に購入できるため、ものは試しで購入してみた。私はiPodを使っていた時に同系統の汎用品である『MDR-NC33』を愛用していた。使用感はそれと全く同じだった。ウォークマンは本体にノイズキャンセリング機能があるため、『MDR-NC33』と違い、外に電池ケースがない分すっきりしている。



付け心地はもう過去に慣れているので、何の違和感もない。ハウジングが平らになっているので収まりもよく、落ちない。音はエージングをしなくても、最初からしっかり鳴る。硬さがなく、馴れた音がする。音量も十分で、迫力もある。何故か以前使用していた『MDR-NC33』よりも数段上だ。ノイズキャンセリングの効果も『MDR-NC33』より優る。製造の精度が上がっているのだろうか。中身は別物なのだろうか。あるいは、音楽プレイヤーの性能が向上しているからだろうか。音質は想像以上に良かった。付属のイヤホン『IER-NW500N』と比べると、フィッティングの良さもあって音質は上回っている。ノイズキャンセリング性能は同等レベル。耳へのおさまりで上回る分、耳の中でしっかり雑音を消してくれる。地下鉄でクラシック音楽ピアノソナタを聴くことができるレベルだ。これで、以前のものを選ぶ理由がなくなってしまった。しかも購入価格は3000円台で、三分の一以下だ。10年近く製造されている製品はやはり違うのか。


ソニーノイズキャンセリングイヤホンといえば、ワイヤレスの『WF-1000X』や『WF-SP700N』が新しく、iPhoneスマホ用として売れていて、テクノロジーの権化みたいな感じだが、それらに比べるといまさら、という製品かもしれないが、購入してとても満足している。製造中止になる前に保管用で別の色のものを購入しようか真剣に迷っている。

心斎橋『明治軒』のオムライス

昼時に、心斎橋で何か食べようと思ったら、大体、『明治軒』か『ニシモト』に行く。どちらも洋食の店だが、さらにジャンルを細分化すると、微妙に異なっている。『明治軒』はオムライス。『ニシモト』は洋食弁当。共通するのは、どちらもそれほど混まず、食べられることだった。だった、というのは『明治軒』は最近、いつでもとても混んでいる。正午付近でなければ「座れない」ということほどではないのだが(12時付近は並ぶこともある)、大体いつも混むようになっている。なぜだろうか。たまたま、私が以前よく行っていた時期に空いていただけだったのだろうか。それともいま空前のオムライスブームが来ているのだろうか。最近は人気店に特に人が集まるようになっている。明治軒は心斎橋でオムライスといえば一番か二番に名前が挙がる名店である。


この辺のオムライスの店としては難波にある『北極星』も有名だ。私も行ったことがある。しかし場所が私にとってはそれほど便利なところではないので、圧倒的に『明治軒』のほうに行く。そのあと買い物するにしても便利だ。


→【北極星のオムライス】

→【洋食ニシモト】


先日、心斎橋に昼時にいたので『明治軒』に行った。11時過ぎに店に入ったが、すでに先客は多数で、結構たくさんの人がオムライスを食べていた。私はオムライスよりも天津飯のほうが好きなくらいだが、老舗のオムライス、おいしいオムライスは時々無性に食べたいと思う。



私はいつもの定番メニュー、牛串カツとオムライスを注文する。私だけでなく、半分以上の人が、牛串カツのセットを注文している。串カツは豚肉でなく牛肉で、オムライスと串カツのセットというのが面白いところで、こういう組み合わせはあまり聞いたことがない。オムライスにトンカツやエビフライ、ハンバーグなどが乗るというケースはあるかもしれないが、牛串カツをトッピングに使うというのが珍しい。創業昭和元年の老舗のオムライスは串カツとセットで食べる。オムライスと串5本のセットは1,150円だった。5本が多いならば3本のセットもある。しかし5本でも意外に軽く食べられる。カラッと揚がっていて、牛肉も重くない。これはこれでいける。オムライスを頼まずにビールと牛串カツだけでも良い時間が過ごせそうだ。しかし私は今日は昼ごはんにオムライスを食べに来たのであったため、ビールを注文せず、オムライスとのセットを注文したのだった。


『明治軒』のオムライスは、流行りのトロトロ卵のオムライスではなく、由緒正しい老舗のオムライスだ。卵の上のソースは酸味のあるドミグラスソース。具は目立たず、大半が中のソースの中に溶けている。チキンライスはパラパラではなく、ケチャップ濃厚なタイプ。こういうものを食べ慣れてきたので、安心感がある。由緒正しいオムライスには満足度が高い。私はあっという間に食べ終わり、このあと心斎橋でどう過ごすのか考えるためその辺りの喫茶店に向かった。

【明治軒 (メイジケン)】

住所/大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-5-32
営業時間/
(月・火・木・金)11:00~16:00・17:00~22:00
(土・日・祝)11:00~22:00
定休日/水曜(水曜が祝日の場合は翌日)

大阪市立美術館『フェルメール展』

天王寺大阪市立美術館で開催されている『フェルメール展』に行ってきた。2月16日から5月12日までの長期開催なのでいつでも行くことができるが、後半になるにしたがって混雑が予想される。ウェブで調べた情報によると、3月初めはまだそれほど混雑していなかったようだ。春休みになれば、だんだん混んでくるだろう。そこで、それほど混んでいないこの時期に行ってきた。


vermeer.osaka.jp


今回来日している作品は6作品で「西日本最大規模」と謳われている。現存する絵は30数作品。フェルメールを見るために世界中を飛び回る旅行者がいるくらいだ。1作品来ただけで大騒ぎなので、今回の6作品は、先に行われた東京展での8作品には及ばないものの、私も記憶にないくらいの規模だ。絶対に外せない展覧会だ。30数作品しか現存しないフェルメールの作品を一気に6作品も見ることができる。ありえない。


天王寺駅で電車を降りて、天王寺公園に向かう。この辺りは昔は路上カラオケの名所だったが、いまは芝生広場が整備され、カフェやレストラン、ショップ、フットサルの練習場が並ぶ「てんしば」というお洒落なスポットとなっている。昔の天王寺の面影は全くない。



「てんしば」目当ての流れに交じって、大阪市立美術館に向かう緩やかな人の流れができている。混雑する展覧会であれば、この辺から嫌な予感がするのだが、そういう感じではなかった。通常の『フェルメール展』だとチケットを事前に購入していくのだが、それほど混まないと思っていたので、当日券を購入することに決めていた。会場に着くと、それなりに人出はあったが、チケット売り場も並ぶことなく購入することができた。



今回の展覧会は基本的に一方通行で、退場後は、再入場不可となっている。また、ショップだけの入場も不可となっており、フェルメールらしい物々しさを感じさせるルールが設けられている。そのルールは、私が行ったときに関しては、不要のものだった。「西日本最大級」や「6作品」から想像したほどではなかったのだ。こちら、まさに天王寺を起点に冬に流行した麻疹の影響もあったのだろうか。この冬は、興業的には大打撃であったのかもしれない。しかし、春になれば、フェルメールらしい混雑がやってくるのかもしれない。


今回の来日した6作品は以下の通りだ。

『マルタとマリアの家のキリスト』(1655年頃・スコットランド・ナショナル・ギャラリー)
『取り持ち女』(1656年・ドレスデン国立絵画館)
『恋文』(1669~71年・アムステルダム国立美術館
『手紙を書く女』(1665~66年・ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
リュート調弦する女』(1663~65年頃・メトロポリタン美術館
『手紙を書く婦人と召使い』(1670年頃・アイルランド・ナショナル・ギャラリー)
※順不同・カッコ内は描かれた年と所蔵する美術館


会場に入ると、決して空いてはいなかったが、混雑がどうしても気になるほどではなかった。展覧会の構成としては、フェルメールと同時代の画家から始まり、中盤から後半にかけて、フェルメールが登場するという流れとなっている。入り口付近はどうしても混雑するものだが、中盤に入る頃には散らばり、一枚一枚の絵に集中して時間をとって鑑賞することができた。もちろんフェルメールだけでは展覧会が成立しない。ヤン・ステーンやデ・ホーホ、ヘラルト・ダウなどオランダの有名画家の作品も展示されている。フェルメール以外の作品では、ヘラルト・ダウの『本を読む老女』が、まるでレンブラントみたいな圧倒的な存在感の作品で、とても見ごたえがあった。


混雑する展覧会では、絵を見るための行列が数珠つなぎとなって、並んで地道に待つか、遠目から眺めるかどちらかの選択をしなければならない。しかし今回の『フェルメール展』では、平日ということもあってか、混雑が気になるほどではなかった。中盤以降は、絵と絵の間は基本的に人がいない状態だった。肝心のフェルメールも絵の前には3~4人という状態だったので、好きな絵の前で自分の時間を過ごすことができた。


最初のフェルメールの部屋は『マルタとマリアの家のキリスト』、『取り持ち女』が迎える。『取り持ち女』は日本初公開。有名な作品。転換期のフェルメール作品だ。この二枚で歴史画から風俗画への転換を表しているのがすごい。この展示のためにエディンバラドレスデンから集めてきたのがすごい。


リュート調弦する女』、『手紙を書く婦人と召使い』、『手紙を書く女』。どれも初めて目にすることになった。見ることができてよかった。この辺りでは、混雑はそれほどでもなく、絵を見るための列もなく、ゆっくりと鑑賞することができた。


今回の作品の中で私が好きな作品は、『恋文』だった。これは是非一度、現物を見てみたいと思っていた作品だった。ある面、フェルメールらしい、とても思わせぶりな作品で、絵の素晴らしさだけでなく、想像する楽しみが与えられている。二人の登場人物の表情もそうだし、描かれている様々な小物がいちいち暗示的だ。立てかけられた箒、無造作に脱ぎ捨てられたスリッパ、籠にかかるシーツ、くしゃくしゃになった楽譜、画中画。寓意的でいちいち象徴的だ。こういうものを見たかったのだった。


今回の展覧会はフェルメール作品は6点で、そのうち2点が過去に盗難にあったことがあるというのが、また印象的だった(『手紙を書く婦人と召使い』と『恋文』)。盗難事件史は人気のフェルメールには付きもので、いまだに帰ってきていない作品もある。この2つの作品をいまこうやって見ることができるのも、不幸な盗難の歴史を乗り越えて無事帰ってきたからである。そして、今回の一期一会の出会いを感謝するばかりである。



私は会場を後にして、ショップでマグネットを買った(絵葉書は買わない時もあるが、マグネットは必ず買う)。美術館を出て階段を下りると黄色いチューリップが植えられている。



展覧会を見終わって、私はとても空腹であることに気付いた。芸術に触れると腹が減る。脳を使うからだろうか。いや、そういえば朝を抜いてきたのだった。フェルメールを中心に、オランダ絵画をたくさん見たのでランチもオランダ料理といきたかったが、私はオランダ料理の店を一つも知らなかった。天王寺公園から天王寺MIOまで行って、『銀座ハゲ天』に入った。その日見た絵のテイストと全く違う料理を食べた。しかしとても美味しかった。


謎解き フェルメール (とんぼの本)

謎解き フェルメール (とんぼの本)

フェルメール巡礼 (とんぼの本)

フェルメール巡礼 (とんぼの本)

京都・宮川町『グリル富久屋』

京都祇園の近く花街として有名な宮川町に店を構える創業1907年の老舗洋食店『グリル富久屋』。私が学生の頃から様々なガイドブックに掲載されていたので知っていたが、行くのは初めて。イメージとして、歌舞伎役者や芸妓さんや舞妓さんが贔屓にしている店。だから敷居も高く、値段も高そうなイメージだったのか、何故か今まで行く機会がなかった。


もう12月の話になってしまうが、訪れることができた。祇園甲部歌舞練場の中にある『フォーエバー現代美術館 祇園・京都』に「草間彌生展」を観に行った昼に訪れた。ちなみに『フォーエバー現代美術館 祇園・京都』は2月をもって閉館が決定している。



美術館を出て、建仁寺沿いの道を曲がり、大和大路を南下。建仁寺の境内を通ってもよいが、建仁寺に拝観したい気持ちになったら困るので、店を直接目指すことにして、7分ほど歩く。12時ちょうどくらいに店に到着する。



外観はイメージと違って、庶民的な雰囲気だった。知らない人から見ると、創業110年の歴史がある店とは誰も思わないだろう。中に入ると、ランチタイム真っ只中というのに席に余裕があった。いかにも観光客のような人や京都を訪れる外国人風の客もいない。京都の人が気軽に訪れる店で、場所柄、祇園の住人や働く人も訪れるかもしれないが、私のように身構えて訪れる人は少数派なのだと知った。奥にテレビがあって、客の誰かの好みか、店の人と客の最大公約数的に選ばれた番組が放映されている。テレビはあっても見ないので、私は気にしない。テレビが普通に存在している洋食店、というのが昨今珍しいので、それはそれで味があると思った。雰囲気も接客も全体的に気さくな感じで、明治創業という重みは、良い意味でなかった。イメージとしては近所の食堂のようである。店に入りやすいし、過ごしやすい。


私は1,360円の洋食弁当(並)を注文した。私は4人掛けのテーブルに外が見える側に座り、道を走る自転車、行き交う人たちを眺めていた。他のテーブルはお年寄りが一人で食べていて、年配の夫婦が一組いた。夫の方が瓶ビールを開けていた。私もビールを注文したかったが、その後、車に乗るかもしれないので耐えた。



そのうち私の料理が運ばれてくる。楕円の器にご飯とおかずが入れられている。レストラン風に、メインの皿とライスの皿、というのも悪くはないが、お弁当形式というのが嬉しい。私は和食でも松花堂弁当みたいな弁当形式が好きなので、こういうのはテンションが上がる。世界が完結している、という感じがする。おかずはハンバーグ、ヒレカツ、エビフライ、魚のフリット。ハンバーグの下に野菜。ミニトマト。黄色いたくあんの漬物がいいアクセントになっている。



一つ一つの料理がコンパクトなのは、昔からの流れで、芸妓さんや舞妓さんが口を大きく開かずに食べられるようにという配慮だそうだ。また匂いが強い食材も避けている。ハンバーグも香辛料の香りは控えめで、家のお弁当に入っているハンバーグをグレードアップしたような味だった。


トンカツにソースはあらかじめかかっておらず、必要ならテーブルに置かれたソースを使用するシステムのようだ。トンカツは揚げたてでカラッとしてサクサクしており、この上品で小ぶりなトンカツにソースをかけるのが何とももったいない感じがした。何もつけなくても、仄かに塩味がして、これでもいける。私は、魚のフリットのタルタルソースを少しつけてみる。これはいける。また、ハンバーグのソースをつけて食べる。それもいける。エビフライは小ぶりだが身が詰まっていてしっかりとしたエビの味がする。魚のフリットは、単なる魚フライではないので、他のフライものとの味の変化を楽しめる。考えてみると、洋食弁当という名前でコンパクトな容器に収まっているが、一つ一つがメインを張れる主役級のメニューだ。


内容が豊富なので、次にどれにしようかと迷ってしまう。一つ一つの完成度が高い。それらをご飯とセットで食べる。オールスター級のおかずを無視して、たくあんでご飯を食べる贅沢。優れた芸術にさらされると、カロリーを持っていかれる。美術館に行くと何故か腹が減る。目の前の食事に集中し、失ったカロリーを取り戻していく。


すっかり食べ終えて空っぽになった器。時間はまだ1時前だった。京都で過ごす時間はまだたっぷりある。私は先斗町河原町方面に向かうため、鴨川を渡った。




【グリル富久屋】

住所/京都府京都市東山区宮川筋5-341
営業時間/12:00~21:00
定休日/木曜・第3水曜